ラルフ・ローレンス・カー(Ralph Lawrence Carr)

2018.12.15

こんにちは。スタッフの仁藤です。

今回は、ラルフ・ローレンス・カー(Ralph Lawrence Carr)についてお届けいたします。

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アメリカと日本が第二次世界大戦で戦争をしていた頃、アメリカに住んでいた日本人は迫害を受けていました。

「スパイかもしれない」

「町から追い出せ」

このような疑惑と命の危険にさらされ生きていました。

コロラド州ももちろんその影響をもろに受けています。日系人がもともと住んでいた町から追い出されたのです。しかし、当時市長だったラルフローレンスカーはとても冷静でした。

大統領によって、移民を追い出すように指示が出た際にも、このように述べています。

ラルフローレンスカーの驚くべき行動

コロラド州民のみなさん、冷静に賢明な市民として振るまおうではありませんか。 アメリカが人種の坩堝であるという事を思い出してください。アメリカに対する忠誠心を、その人の祖父が生まれた場所で計る事は出来ません。もとをたどれば、我々全てのアメリカ人は国境の向こう側からやってきたのではありませんか。

出典:Wikipedia

この時、ラルフローレンスカーは、法務省に対してある手紙を送っています。その内容は、現在アメリカに住む日本人とこれからアメリカにやってくる日本人を強制収容所に入れてはいけないというものでした。

確かにアメリカは移民の国、自由の国ですが、ここまでいうことはできるのは尊敬できることです。
私たち日本人が同じ立場だったら、どのような対応をしていたでしょうか。敵だからという理由で、同じ人間を収容施設に入れていたでしょうか?
このようにラルフローレンスカーは私たち日本人にとってありがたい存在でありながら、学ぶことが多い存在でもあります。
また、ラルフローレンスカーは、日本人の強制収容にアメリカ憲法に違反しているとして真っ向から政府に対立しました。
アメリカは地球の四隅、すべての人種や国籍の男性・女性から成る国である。真に、世界のメルティング・ポットである。ここでは、自分の仲間あるいは自分の言葉を話すものが他よりも優れていると考えるような余地はない。アメリカに到着した時に、我々は新しい人間に変わり、思い出や親戚以外のものはすべて(故郷に)置いてきたのだ。我々は新しい愛着、新しい献身、新しい興味を持つ、新しい男性・女性になったのである。
抑留者のアメリカ国籍やアメリカの合法滞在にもかかわらず、強制収容所に入れろという要求に私は共鳴しない。我々の憲法は、何人も公平な公聴会における不品行の証明や告訴がないうちは、自由を奪われることはないと保証している。
出典:Wikipedia

このようにラルフローレンスカーは言っています。第二次戦争当時の発言ですが、今でもこの言葉から学ぶことは多いように思えます。人権とは何か?違いとは?差別とは?という疑問を常に投げかけてくれる言葉です。

いかがでしたか?
あなたは、日本人が迫害を受けていた歴史を知っていますでしょうか?多分知らなかった人も多いと思います。戦争をすると自分の国を攻撃されるだけではなく、他国に住んでいる日本人も差別や攻撃の対象になるということが少しでもわかっていただけたのではないでしょうか。
戦争は非常に悲しいものです。だからこそ、歴史から学ばなければいけません。私たちは、ラフルローレンスカーから学びきれていないこともまだまだ多いような気がします。
ちなみに、サクラスクウェアという日本人コミュニティでこの人の銅像が建てられています。コロラドに留学した際には一度見にいってみるといいでしょう。
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